福利厚生は会社員だけの特権じゃない! 個人事業主でも福利厚生費を計上できるパターンはある!?

会社員の方は、会社の福利厚生を上手に活用して楽しんでいる人も多いのではないでしょうか。

会社により異なりますが、スポーツジムの会員権、保養所の宿泊、プロ野球などスポーツのチケット、レストランの食事券など上手に活用すれば節約もできますよね。

では、個人事業主の場合、福利厚生費は使えるのでしょうか?

個人事業主の場合、福利厚生費は使えないイメージが強い人も多いでしょうが、条件により個人事業主であっても福利厚生費を計上できるのです。

ここでは、個人事業主でも福利厚生を使えるのか?福利厚生費を使うポイントを伝授していきたいと思います。

目次

個人事業主ひとりで営んでいる場合は福利厚生費を計上できない

そもそも福利厚生費には、大きく分けて2種類あります。

「法定福利費」と「法定外福利費」です。

「法定福利費」とは、法律で義務付けられた福利費のことを指し、社会保険費や労働保険費のことです。

「法定外福利費」が一般的に言う福利厚生のことで、従業員のための健康、衛生、慰安、慶弔などに支払われる費用を指します。

「従業員のための」というのがポイントで、そのため個人事業主ひとりでは従業員とみなされないため、福利厚生費は計上できません。

また、専従者(配偶者など家族の方が一緒に働いている場合など)も従業員とみなされないため、福利厚生費は認められません。

家族で旅行や食事に行った場合、これを仕事の慰安なのか家庭の慰安なのか線引きができないため、福利厚生費にはならないのです。

他にも、福利厚生費は従業員が平等に得られる権利でなければならないという取り決めがあります。

そのため、例えば、役員だけ誘って旅行に行く、会食をするなども福利厚生費にはならないのです。

ただ、個人事業主および専従者は対象外といいましたが、従業員と一緒に社員旅行に行くなど、従業員とともに行った場合などは一緒に福利厚生費として計上することが可能です。

まとめると、従業員の福祉を目的としているため、従業員がいて、役員・従業員が平等に利用できる健康、衛生、慰安、慶弔などであれば福利厚生費と認められると考えてよいでしょう。ただし、直接金銭でお金を渡すのは福利厚生費とはならないので気を付けてください。

この際、「毎日のように会食の福利厚生費が計上されている」、「慰安旅行で高価なブランド品を買い与えている」、「売上額の半分近くの額に福利厚生費がなっている」などあまりにも常識外の金額になっている場合、税務署からチェックが入り、通常より認められづらくなる可能性もありますので、一般的な妥当な金額に抑えるようにしましょう。

ただ、福利厚生費にはいくらまでという明確な上限額があるわけではありません。

福利厚生費の種類

具体的に、「これは福利厚生費、これは福利厚生費ではない」と明確に決められているものではありません。

  • 全従業員が平等に利用できること(役員含む)
  • 個人事業主、専従者のみでは適用外
  • 常識の範囲内の金額であること
  • 直接、金銭の授与ではない

という条件に当てはまれば、福利厚生費として認められる可能性が高いです。では、具体的にどんなことを福利厚生費として計上しているのでしょうか。

通勤費

職場まで従業員が通勤するための、電車賃、バス代など。

※タクシー代は、忘年会後、社内イベント後の利用などの場合は「福利厚生費」、営業活動のときは「旅費交通費」、接待や会合のときは「接待交際費」になります。

健康診断費用

健康管理上必要とされる程度の常識の範囲内の費用が対象で、PET検査などの高額医療の場合は対象外になります。

忘年会、新年会、歓送迎会など社内イベント

忘年会、新年会、歓送迎会、運動会、社内サークル活動など社内イベント時における経費。

社内サークルなどの場合、一般的にひと月の1人あたりの補助は1,000円程度が妥当額。

ただし、取引先などの相手が加わる場合は「接待交際費」。

社員旅行

社員旅行には条件があり、旅行の期間が4泊5日以内で、旅行に参加した人数が全従業員数の50%以上であることとなっています。

また、社員旅行に不参加の従業員に金銭で支給した場合は、「福利厚生費」ではなく「給与」もしくは「設定交際費」。

慶弔見舞金

従業員への結婚祝、出産祝、見舞金、香典などの慶弔金やお祝いプレゼントなど。

従業員以外の人(社外の人)の場合は、「接待交際費」。

制服代

会社内もしくは現場など仕事場にて着用し、通勤や社外で使用しない制服として、あきらかに従業員であることがわかるようなもの。

食事代の補助

残業や宿日直に伴う食事代など通常勤務時間以外でも食事代補助。

社宅

従業員の住居。社宅家賃規定を作成する必要がある。

健康増進費

スポーツジム利用料、風邪薬、頭痛薬、マスク、消毒薬、加湿器など健康増進を図れるもの。

育児・介護支援

保育園料補助、ファミリーサポート利用料補助、介護保険対象サービス利用料補助など。

保養所

経済的利益が多額でなく、会社役員だけなど特定の従業員だけを対象としていないこと。

アウトソーシングの福利厚生

ベネフィット・ワンのようなアウトソーシングに福利厚生を依頼し、カタログギフトのように多ジャンルから好きなものを選べるようにする。

福利厚生費と混同しがちなもの

福利厚生費は明確な取り決めがないため、福利厚生費ではないものも、福利厚生費と混同しがちなものがいくつかあります。

注意点として、福利厚生費と混同しがちなものを見てみましょう。

給与と福利厚生費

給与は従業員の行なった労働の対価として支払われるお金のこと、そのため、成果や評価によって給与額は変わってきますよね。

そのため、福利厚生費の条件にある「従業員が平等に得られる」に適さないため、給与は福利厚生費にはできません。

現金支給

福利厚生は、従業員(役員含む)がモノやサービスで得られるもので支援することのため、直接現金支給となると、福利厚生にはならなく、給与もしくは交際費となります。

交際費や会議費と福利厚生費

交際費、会議費、福利厚生費での会食などはとても線引きが難しいです。

国税局の取り決めによると、

としています。会議費とは、会議に伴い支出した費用を言い、会議室代、資料代、会議時の飲み物代、会議時の弁当代などが

  • 福利厚生費は、専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用
  • 交際費は、得意先や仕入れ先その他事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用
  • 会議費とは、会議に伴い支出した費用を言い、会議室代、資料代、会議時の飲み物代、会議時の弁当代など

となっており、例えば、社員旅行に社外の人も参加していたとしても、「専ら従業員」のため、福利厚生費に含んでも問題ないでしょう。

従業員が多く参加している飲み会であっても、業に関係のある社外の者がいる場合は「接待交際費」に計上できると思います。ただ、明らかに過度にやりすぎなもの(従業員の飲み会なのに、社外として従業員の奥さんを一人加えたなど)はNGですので気を付けましょう。

福利厚生を過剰に計上してしまった場合のペナルティ

ここまで説明してきたように、福利厚生費は「全従業員が平等に利用できること(役員含む)」、「個人事業主、専従者のみでは適用外」、「常識の範囲内の金額であること」、「直接、金銭の授与ではない」というくらいの取り決めがあるくらいで、明確な線引きはないため、個人事業主の方は特に従業員向けの福利厚生は多く行えるといえます。

ただし、「常識の範囲内の金額であること」をはじめ、(噛み砕いて言うと)やりすぎはペナルティを課される場合はあります。

というのも、福利厚生費には源泉徴収の必要がないため、そのまま経費として計上ができます。しかし、給与や接待交際費は源泉徴収が必要のため、これらを福利厚生費にしてしまうと、あとから不納付加算税が課せられてしまい、結果的に損になってしまいます。

まとめ

「個人事業主でも福利厚生費を使える?福利厚生費を使うポイントを伝授」についてまとめさせて頂きました。

個人事業主であっても、従業員がいる場合は、多くの項目で福利厚生費が計上できることが分かりました。

やはり、従業員は「人財」です。

従業員が仕事へのモチベーションを上げられるような福利厚生を事業主の方は考えていきたいですね。

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