フリーランスは領収書を書かなければならないし保管しなければならない! 領収書の書き方と保管のきまり

私がフリーランスになった最初の頃に頭を悩ませたのが、見積書、請求書、領収書……といった各種書類の発行と管理でした。

この中で特に領収書は、税務関係書類としても重要なので避けて通ることはできません。

今回は、この領収書についてお話しましょう。

目次

領収書ってなんだろう?

領収書はなぜ必要なのか

そもそも、領収書ってなぜ必要なのでしょうか。

会社員でも仕事で必要なものを購入した際には「領収書をください」と言って領収書をもらって、会社に提出したりしますよね。
あれって、単純に「建て替えたから後でこの金額ちょうだいね」って渡しているわけではないんです。

仕事には多かれ少なかれ「経費」というものがかかります。
ライターの私にとっては、パソコンやら取材に必要なICレコーダーやらカメラやら、電気代なんかももちろん必要で、そういった仕事に必要不可欠なものの費用のことを経費といいます。

この経費は収入から差し引いて所得とすることができるので、経費を水増しすることは脱税にほかなりません。
ということは、「これにこれだけの経費がかかりました」という証明書が必要です。

この経費を証明してくれるのが、「領収書」というわけです。

逆にいえば、領収書がない経費というのは証明できない経費となる可能性があり、証明できなければ脱税であるといわれても反論ができません。

領収書とは

領収書とは、代金の受取人が、支払い者に「金銭を受け取りました」と証明するために発行する書類のことです。

こういった取引内容を明確にした証拠になる書類のことを、少しむずかしい言葉で、「証憑書類(しょうひょうしょるい)」といいます。
証憑書類には冒頭の見積書や請求書も含まれ、会社ではこれらを原則10年保存しなければならないことになっています。

領収書の保管義務

領収書は、「現金預金の取引等に関係する証憑書類」にあたります。

そのため、フリーランスであっても7年間保存しなければなりません。

厳密には、確定申告が白色申告の場合には5年間で良いのですが、白色申告から青色申告に切り替える人も多いと思うので、ここは「7年保管」と覚えてしまうのが安心です。
ちなみに私は青色申告に切り替える時に税務署の職員さんに尋ねてみたのですが、「会社になると10年保管なので、10年置いておけば間違いないですよ」と言われました(笑)。
破棄しなければならない法律はないし、キリもいいので10年分を保管することにしています。

領収書の電子保存

とはいえ、業種によっては証憑書類って膨大な量になりますよね。

そういうときは、電子データでの保管も検討しましょう。

2015年と2016年に税制が改正され、「スキャナ保存制度」についての要件が緩和されました。
電子帳簿保存法に規定されているもので、これにより要件を満たせば、証憑書類をスキャナ保存して原本は破棄してもいいよ、ということになっています。

ただ、これを行うには税務署にあらかじめ「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存承認申請書」を提出しておかなければならないなど、いろいろと制約もあります。

あと、データって何かの拍子に消えたりするんですよ……恐ろしいことに。
せっかくクラウドに保管してあっても、クラウド側がミスをして全データ消えたなんていう恐ろしいニュースもありましたし、個人のパソコンなんかだとなおのこと。

というわけで、私は紙のまま保存してあります。
私の場合は会計書類は1年1冊のファイルに収まりますから、10年間でキューブボックス2つ分もあれば済みますしね。

電子データ、スキャナで保存をしたい場合には、どうせ書類の提出も必要なので、税務署へ行って相談してみるのがおすすめです。
税務署って、ちゃんと税金を収めている個人事業主には結構優しいですから。

領収書の書き方

では次に、自分が領収書を発行する時のお話をしましょう。

フリーランスの場合、自分の経費計上のために領収書をもらってくるだけでなく、自分が「代金を受け取りましたよ」と領収書を発行しなければならない場面も多々あります。

領収書はどのように書けば良いのでしょうか。

領収書に必要な項目

領収書には、決まった書式はありません。
ただ、証明書として有効でなければならないので「記載されていなければならない項目」はあります。

領収書には、

  • 支払先の名前(個人の氏名や会社名など)
  • 領収金額
  • 取引内容
  • 領収年月日
  • 書類作成者の名前(個人氏名や屋号など)
  • 書類作成者の連絡先(住所、電話番号など)

が必要です。

さらに、領収書の金額が50,000円以上になるのであれば、「収入印紙」も必要です。
これは紙の場合のみで、たとえば「メールにPDFファイルを添付して送った」なんていう場合には収入印紙は不要になります。

また、同じものを控えとして発行側も保管しておく必要があります。
2枚作って一方に控印を押しておいてもいいですし、複写紙を使って同時に2枚作成する方法もあります。

印鑑は、法的にはなくても良いことになっています。
クライアント側が「押印してください」と言ってくることはあるので、その場合には押印すると良いでしょう。

支払先の情報

領収書を発行する場合、支払先、つまり相手の情報は、あまり詳細でなくてもかまいません。

個人の氏名、あるいは会社名などがあれば大丈夫です。

ただし、「上様」とか空欄にするのはNG
もしなにかあった場合、意図して脱税しようとしたのではないかと疑われかねないからです。

領収書を発行する側で、支払先の情報はきちんと埋めておきましょう。

取引情報

領収金額、取引内容、領収年月日も、改ざんの無いように配慮して記載します。

領収金額には、普通「\」と「-」を付け、「\34,000-」などと記入します。
「\」がないと、数字を付け足すことができてしまうので「134,000」なんて書き換えられてしまったりするからです。
1桁ずつ枠がある場合は最後の「-」は不要になりますが、その場合でも頭の「\」は必要ですね。

ただし、後で説明するクラウド型の帳票作成サービスであれば、改ざんすることができないので「\」も不要になります。(もちろん付けても良いので帳票のテンプレートによります)

取引内容もできるだけ詳細に記載しておく方が良いですね。
何の対価なのかが明確であるほど、証明書としての信憑性が上がります。

領収日には、「」も必要です。
西暦か和暦かは問いませんが、必ず記載しましょう。

書類作成者の情報

書類作成者、つまり代金を受け取った側の情報は、後に照会できるように詳細に記載しておかなければなりません。
税務署の監査が入ったりした場合に、発行元を辿れないのでは困るからです。

「え、住所とか書きたくないんですけど」という方もいらっしゃるかもしれませんが、法で定められている証憑書類ですから、きちんと照会できるように記載してください。

私は開業届を出していて「屋号」があるので、屋号と、自宅で仕事をしているので自宅の住所、あとは電話番号を記載することが多いです。
クライアントによっては「事業所と取引するのと個人と取引するのとでは扱いが異なるので個人として取引してください」と言われる場合もあるので、その場合は屋号の部分を個人名にします。
文筆業の場合には、ペンネームも屋号と同じように使用することができるので、場合によっては本名ではなくペンネームで領収書を作成することもありますが、著名な作家さんのように社会に浸透しているわけではないので、本名も併記することが多いですね。

複写領収書は100円ショップで売っている

領収書は決まった書式がないので自分で作ってもいいのですが、複写式の領収書は100円ショップでも売っています。

紙の領収書を発行するのであれば、これでも十分。

複写式なので控えが同時に出来上がるのも楽です。

クラウド型の帳票作成サービスを使おう

フリーランスの場合、紙で領収書を発行する機会はかなり少なくなっています。
ほとんどの場合、領収書もネット上でやり取りしますから、最初からパソコンで作っておけば楽ですよね。

Excelのテンプレートなどを使う方法もありますが、私はクラウド型の帳票作成サービスをおすすめします。

クラウド型のいいところは、

  • 電子データを保持しておいてくれる
  • 検索可能
  • 見積書から納品書、納品書から請求書、請求書から領収書、と同じデータから簡単に各種帳票の作成ができる
  • 会計ソフトとの連携ができる
  • 電子帳簿保存法にも対応

などがあります。

領収書を発行しなければならないクライアントって、領収書だけでなく請求書なんかも必要なケースが多いんですよね。
ほとんど同じ内容のものを何度も作るなんて面倒くさい!
そういう煩わしさから解放してくれるのが最大のメリットです。

いくつか試しましたが、私は

が使いやすかったですね。

帳票だけだと、Misocaがすごく使いやすかったです。
ただ、私は会計ソフトと家計簿ソフトにマネーフォワードを使っているので、料金体系の改正があったタイミングで帳票もマネーフォワードに統一しました。
会計ソフトと連携が取れるかどうかは、経理事務を楽にするポイントです。(MisocaもMFと連携はできていたんですけどね)

ただ、クラウド型の無料プランだと、どうしても制限がかかりがちです。
Misocaも無料プランはありますが、請求書の作成数は月に5件までとかなり少ないです。

私は使ったことがないのですが、

INVOY
https://www.invoy.jp/

は無料で使えるのだそうですから、ここから始めてみるのも良いかもしれませんね。
ただし、こちらは利用規約第18条に「電子帳簿保存法における要件適合性その他いかなる保証もするものではなく、」と明記されているので、その辺りには十分注意してください。

領収書の貰い方

領収書は、自分で発行するだけでなく、もらってくる場合もありますね。
経費に計上したいのであれば、基本的には領収書をもらう必要があります

店舗でお買い物

店舗でお買い物をしたのなら、「領収書をください」といえば領収書をもらうことができます。

「宛名」と「但し書き」について聞かれることが多いので、宛名には自分の氏名か屋号を、但し書きには「文具」とか「事務用品」とか購入したものを書き入れてもらうようにします。

私は屋号を記入してもらうのですが、伝わりにくいので名刺を出すことにしています。
渡すわけではなくて、出して「ここにある通りに書いてください」と書いてもらって、書き終わったら名刺も持って帰ります。
口頭で説明するのって面倒だし、後ろにお客さんが並んでいたりすると申し訳なくなっちゃうんですよね。

が、実は、別に領収書でなくてもいいんですよ。

フリーランスの場合、経費に計上できるかどうかは「事業に必要といえる支出かどうか」です。
これって、レシートで十分

レシートと領収書の最大の違いは、宛名があるかどうかです。
領収書には宛名があるので、誰に対しての書面なのかがはっきりわかりますから、会社ではレシートではなく領収書をもらってくるように言われます。
そうしないと、極端な話、道端に落ちているレシートを拾ってきても経費にできちゃうからです。

一方で、レシートには「何を買ったのか」が詳細に記載されています。
本屋で参考書籍を購入した時に、レシートには本のタイトルまで記載されていますが、領収書には合計金額と「書籍」とか「本代」といった但し書きしか記載されていません。
これでは、趣味の漫画を購入したって区別がつかないのです。

そのため、フリーランスの場合には、領収書よりもレシートのほうが信憑性が増す場合もあります。

法的には、経費計上の書類として、レシートでもまったく問題がありません。

クレジットカードだと領収書がない?

クレジットカードで支払っているものも多いですよね。
クレジットカードで支払うと、場合によっては領収書が得られない場合もあります。

領収書が発行されない場合はどうすれば良いのでしょうか。

領収書がない場合には、利用明細書を領収書代わりにすることができます

ただしその場合には、

  • お店の名前
  • 購入した日付
  • 商品やサービスの内容
  • 購入金額
  • 購入者の氏名または会社名

が記載されていなければならないことになっています。

クレジットカード会社が発行する利用明細では情報が足りないので、経費計上の際に認められない可能性がありますから、お店の利用明細書を保管しておくようにしましょう。

レシートタイプは熱と光に気をつけて保存

レシートタイプの領収書が増えましたが、レシートタイプの領収書は保管場所に気を配る必要があります。

最近のレシートって、感熱紙なんです。
昔のワープロの紙がこれだったのですが、特殊な薬品が塗られていて、熱を感知して黒くなるという性質を利用して印字しています。
だから表はちょっとツルツルテカテカしていますよね。

熱で化学反応を起こす紙なので、たとえばドライヤーの熱風をかけてしまうと、全体が黒くなって文字が見えなくなります。
また、日光の当たる場所に置いておくと、今度は字が薄く消えていってしまいます。

黒くなるほどの熱が加わる環境にレシートや領収書を保存することはほとんどないと思いますが、日光には要注意。
光が入ってしまうクリアケースに入れておいたりすると、印字が消えてしまうこともあります。

領収書は7年間保存しておかなければならないので、熱と光に当たらないように保管しましょう。

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