事前登録は大丈夫?2020年10月1日から事前登録開始のインボイス制度は個人事業主にも関係大アリ! 

インボイス制度」って聞いたことがありますか?

「時々耳にするけどよく知らない」
「フリーランスには関係ない話でしょ?」
なんて思っているのなら大間違い!

今回は、フリーランスでも絶対知っておきたいインボイス制度のお話をします。

目次

インボイス制度って?

インボイス制度とは

そもそもインボイス制度とはどういうものなのでしょうか。

もうね、カタカナなのが嫌ですよね。
漢字で書くと「適格請求書制度(適格請求書等保存方式)」になります。
うん、漢字で書かれても嫌なものは嫌でした(苦笑)。

適格請求書」というのは、「適用税率や消費税なんかを正しく伝える請求書」のことです。

以前は日本の消費税って一律だったじゃないですか。
3%が始まった時も、5%になった時も、たまに切手とか非課税のものがあったものの、今みたいに細かく8%のものと10%のものとが混在したりはしていませんでした。
ですが、今はとってもややこしいわけで、これを正しく伝える義務はお金を請求している売り手側にあるんじゃないか、というのがこの適格請求書の意義です。

そう言われてみると、まあそうかなと思いますよね。

「でも、今もレシートってそうなってないっけ?」
と思ったあなたは正解。
実は今でも、「区分記載請求書」という、ちゃんと消費税区分の載ったレシートが発行されているお店がほとんどではあるんです。

ただ、それをもっと厳格にして、「うちは『適格請求書』の発行ができるんだぜ。その請求書の写しもちゃんと保管しておくぜ」と公に言えるようになる、というのがこの「インボイス(適格請求書)制度」です。

インボイス(適格請求書)は事前登録制

さて、「より厳格にして公に言えるようになる」って、具体的にはどういうことでしょうか。

これは、「事前に登録した発行者だけが発行できるようにして、登録した人はちゃんとルールを守った請求書と帳簿の管理をお願いする」という方法で達成されます。

つまり、事前登録が必要だということです。

事前に登録することで登録番号が発行され、インボイス制度に則った請求書には、この登録番号の記載も義務付けられます。

消費税の納税額が変わってしまうかも

インボイス制度は、請求書を発行する売り手側にだけ関係するものではありません。

事業をしている人って、なんらかの経費が必ずかかっていますよね。
私みたいなライターだって、経費はかかります。
小売店なら仕入れもあります。

そして、この経費にも消費税はかかっているんですよね。

消費税は、集めた人がまとめて税務署に納付するものなのですが、経費にかかった消費税分は、売上と一緒に集めた消費税額から差し引いていい、という決まりがあります。
これを、「消費税の仕入税額控除」といいます。

ところが、このインボイス制度が導入されると、「『消費税の仕入税額控除』の方式は『適格請求書等保存方式』になり、インボイス請求書に記載されている消費税分しか引けないというんです。

そのため、適格請求書発行事業者は買い手側からインボイスの交付を求められたら交付し、その写しを保存しなくてはならないと定められています。

売り手にも買い手にも重大な変更なんですね。

ただし、この件にはちょっとした抜け道があって、「簡易課税方式」による「みなし仕入率」という計算があります。
これについては後述します。

請求書だけでなく帳簿にも同等の記載が必要

インボイス制度によって変わるのは、請求書だけではありません。

帳簿も同様に、軽減税率がわかるように記帳するなど、ちょっと面倒くさいルールが追加されます。

こちらの詳細には今回は触れませんが、まあまあ面倒です。

国税庁の出しているパンフレットがあるので、気になる方は参照してみてください。

適格請求書等保存方式の概要|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0020006-027.pdf

インボイス制度開始はいつから?

このインボイス制度、いつから始まるのかというと、まだもう少し先、2023年(令和5年)の10月からです。

登録申請は事前に可能で、今年2021年(令和3年)の10月1日から開始予定です。

インボイス制度はフリーランスにどう関わるの?

適格請求書発行事業者でなければ仕事をもらえなくなるかも

「消費税の話でしょ? 請求書だって普段発行しないことも多いし、関係なくない?」
と思っているフリーランサーさんも多いと思います。

が、そうでもないのです。

思い出してほしいのが、買い手側の「消費税の仕入税額控除」。
インボイス制度が始まると、インボイスじゃなきゃ経費の消費税を引けなくなってしまう、ということは?
インボイスの交付をしてくれる適格請求書発行事業者とだけ仕事をしたい」と考える事業者が増えるかもしれないということなのです。

消費税を納税している人にとって、消費税の仕入税額控除がなければ、当然税負担が大きくなってしまいます。
しかし、インボイスでなければ引けない。
となると、インボイス交付のできる適格請求書発行事業者とだけ仕事がしたいと考えるのは自然なことですよね。

そのため、適格請求書発行事業者でないフリーランスは、仕事をもらえなくなってしまう可能性があるのです。

特に影響を受けやすいのは、消費税をたくさん払っている大きな企業と契約をしているフリーランス
「インボイス交付できる?」と聞かれる可能性大です。

後述しますが、年収5,000万円以下であれば簡易課税制度を利用することができるので、消費税を納税していても仕入先がインボイス交付かどうかを考えなくても良い事業者もあります。
そういった小規模の事業者からの仕事が多いフリーランスの場合には、あまり影響を受けずに済むかもしれません。

少額フリーランスも消費税納税が必要になるかも

ところで、フリーランサーさんは消費税についてどのくらい知っているでしょうか。

消費税って、普段の生活の中でも払っていますよね。
概ね10%、食品など一部が8%。

では、この消費税って、誰がどこに払っているのでしょうか。

消費税は、国の消費税と地方消費税とが合算されているもので、最終的には国と各都道府県の収入になります。
でも、消費者がお買い物をして消費税を渡しているのは小売店。
ということは、小売店がまとめて消費税を納税しているということになりますね。
これはわかりやすい。

でも、フリーランサーさんも明細には「消費税」って入っていませんか?
入っているのなら、消費税を預かっていることになります。

ところが、フリーランサーさんの多くは、たぶん消費税を納税していないと思うのです。

これはなぜかというと、年収が1,000万円以下ならば消費税の納付が免除されるから。

年収が1,000万円を超えないフリーランサーさんの方がだいぶ多いですからね。
たぶん消費税の納付は免除されていると思うのです。

ところがこのインボイス制度、登録してやろうと思うと「課税事業者」にならなければなりません
そう、1,000万円に全然届かないフリーランスでも、消費税の納税義務が生じてしまうのです。

インボイス制度が始まると、インボイス交付ができないと仕事をもらえなくなるかもしれないんだけど、インボイス交付できるようにしようと思うと課税事業者にならなければならないので、年収が1,000万円以下であっても消費税を納税しなければならなくなってしまうということです。

簡易課税方式で消費税計算は少し簡単にできる

インボイス交付をするために課税事業者になると、請求書だけでなく帳簿もだいぶ面倒になります。
帳簿にも消費税区分とかどことの取り引きだとか、全部書かなきゃならないので。

ただ、消費税に関してのみいえば、ちょっと楽にできる方法があります。

「簡易課税方式」による「みなし仕入率」があるという話をしましたね。
これは、事業区分によってざっくり「みなし仕入率」を決めちゃって、細かい経費の消費税計算は免除しちゃうよ、というものです。

簡易課税制度の事業区分|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6509.htm

たとえば、私のようなライターだと、第5種事業に分類されるので、みなし仕入率は50%。
年収が400万円だとして、軽減税率の対象になるようなものはないので消費税は一律10%と考えると、売上にかかる消費税額は40万円です。
その40%にみなし仕入率の50%を掛けると、20万円になり、これが仕入控除税額になります。
だから、消費税納税額は20万円という計算です。

消費税納税額 = 売上高の消費税 - 売上高の消費税 × みなし仕入率

ただし、この簡易課税制度を利用するには、

  • 「消費税簡易課税制度選択届出書」を事前に提出している
  • 課税売上高が5,000万円以下である

ことが要件です。

また、届け出た場合、最低2年間は簡易課税を続けなければなりません

仕入れをどうするかも検討すべし

課税事業者になった場合、仕入先の選定にも「インボイス交付」が関わってきます。

さきほど説明した簡易課税制度を利用する場合は売上高を基準に消費税控除額を計算するのでそんなに考えなくても良いのですが、原則課税制度でいくのであれば、自分が仕入れている「経費」に計上したいものの請求書は、「インボイス」でないと困るんですよね。
そうしないと、消費税控除が受けられなくなってしまいます。

インボイス導入後は会計ソフトが頼れそう

いろいろ面倒なインボイス制度ですが、実は私は、経理事務の観点ではあまり心配をしていません。

その理由は、クラウド型の会計ソフトを使っているから。

私はマネーフォワードで帳簿も請求書・納品書・領収書も作っているのですが、法改正への対応が早いんですよね。
持続化給付金の時も、帳簿から自動で計算していくら受け取れるかを算出してくれていたので安心でした。

だから、インボイス制度が導入されれば対応の請求書が今と同じ手間で完成するだろうし、帳簿も連動しているのでそんなに難しくはないのでは、と。

これが以前の無料DL型のものだとたぶん不安だったし、最近税理士事務所を開いた知人辺りに丸投げを検討したかもしれないなと思います。

課税事業者になるか否かは悩まなければなりませんけどね。

免税フリーランスは、インボイス制度にあわせて課税事業者になるのか、それともそのまま免税事業者でいるのか、そして、課税事業者になるのであれば、簡易課税制度を利用するのか原則課税制度で計算するのかを決めなければなりません。
もちろん、すでに消費税を納めている高収入フリーランスは、適格請求書発行事業者の登録をお忘れなく。

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