個人事業者の扶養に関する疑問を解決

「会社員から個人事業主に転職した場合、扶養に入っていた妻や子供の保険や年金はどうなるのだろう?」

会社員時代、保険や年金は会社が半分負担してくれていまし、保険は協会けんぽで130万円以下の収入の扶養家族は無料だったけど、これらが無くなってどうなるのだろう?

個人事業主のなる場合、扶養家族がいると、保険や年金などがどうなるのか不安になると思います。

ここでは、個人事業主の扶養について疑問を解決していきたいと思います。

目次

扶養家族(親族)の定義

そもそも、扶養家族の定義はどのように定められているのでしょうか?会社員では関係ないですが、個人事業主では該当する項目もあります。

  • 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)、または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人
  • 納税者と生計を一にしていること
  • 年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  • 白色申告者の事業専従者でないこと
  • 青色申告の専従者給与を一度も受け取っていないこと

個人事業主で扶養について注意したいことは「事業専従者」についてです。

事業専従者とは、配偶者や15歳以上の親族で、年間6ヶ月以上、納税者が営む事業に従事している人のことを指します。

白色申告にせよ、青色申告にせよ、個人事業主の仕事を配偶者や15歳以上の子供が手伝っている場合は、扶養に入れることはできません。

ただし、白色申告者の場合は、事業専従者の「事業専従者控除」が受けられ、青色申告者の場合は、事業専従者の給与を経費として計上できるため、金額によっては扶養に入れるより節税効果が高い場合が多いです。

個人事業主の扶養に、家族を入れることができるか?

個人事業主の場合、扶養家族がいた場合でも、基本、扶養という概念がないため、「保険」も「年金」も各人で支払わなくてはいけなくなります。

つまり、会社員から個人事業主のなった場合は、保険に関しては、協会けんぽから脱退することになり、家族全員が国民保険に加入する形となります。

年金に関しても、配偶者や20歳以上の子供などの家族が国民年金に加入する義務が出てきます。

そう考えると、かなり会社員時代に比べて、社会保険料は増大してしまいそうなイメージですが、そこまで高くなるわけではありません。

個人事業主が配偶者と子供が1人扶養家族に入れていたとしたら、会社員時代に比べて、月額の社会保険料は(所得にもよりますが)10,000円~20,000円くらい上がるイメージといってよいでしょう。

個人事業主の場合、経費計上ができる幅が広いなど控除できるものも増えますので、出費額が社会保険料によって増大することはないと思います。

また、保険に関して、会社員時代の協会けんぽでの保険になると、扶養家族は年収130万円以下といういわゆる「130万円の壁」がありました。

しかし、個人事業主の扶養家族は、前述どおり各人が国民保険に加入するため、各人の収入に応じた保険料が必要となって保険料が算出されます。

よって、配偶者や子供がアルバイト、パートをしているくらいでは保険料も低額で済み、そこまで負担が増さないということです。

将来的に見ることも大事

保険や年金の社会保険費の支払いに関しては、会社員でも個人事業主でもそこまで大差はないと前述しました。

しかし、年金に関しては下記の図のとおり、1階建ての国民年金のほうが2階建ての厚生年金より将来もらえる年金額は減りますし、万が一、障害年金を受給するようになっても金額が異なってきます。

個人事業主の方は、扶養している家族も含め、目の前の支出だけでなく、将来的な長い目でライフプランを練っておく必要があるのではないでしょうか。

会社員から個人事業主になる場合の「手続き」についての注意点

会社員から個人事業主になった場合、特に気を付けたいのが「保険」の手続きではないでしょうか?

本人はもちろん、扶養家族の保険証も出ている場合、家族のだれがいつ病気やケガになるか分かりませんので、万が一のとき、保険が利かないとなると、10割全額負担になってしまいます。

前述したとおり、個人事業主になったら、扶養している家族も含めて各人が国民保険に加入する形となりますが、

協会けんぽから国民保険への移行、また厚生年金から国民年金への移行はともに「退職日の翌日から14日以内」という期限が定められています。

どうしても退職してすぐは環境も変わりバタバタしがちなので、「退職日の翌日から14日以内」を忘れないようにしましょう。

ともに手続きは、自分の住民票のある区役所、市役所など役場にて自分で行います。

また、協会けんぽを任意継続被保険者になることもできます。

任意継続被保険者は、2年間任意でそのまま会社員時代の健保に入ることができます。

ただし、これまで会社が半分支払ってくれた保険額を全額自分で支払う形になりますので、会社員時代よりは金額が高くなります。

個人事業主での所得額によっては、健保の任意継続被保険の場合のほうが安くなる場合もあるので、金額をシミュレーションしてみましょう。

個人事業主が家族の扶養に入ることができる?

基本、個人事業主になったら、自分で国民保険や国民年金に加入し社会保険を支払わなくてはいけません。

しかし、「個人事業主を始めたばかりで収入が安定するまで家族の扶養に入れないだろうか?」、「扶養の範囲内で仕事をしたい」と思う人も少なくないはずです。

では、個人事業主が家族の扶養に入ることはできるのでしょうか?

結論から言うと、扶養家族の範囲内で個人事業主として開業することは可能です。開業届と社会保険などの社会保障の間に関係はないためです。

ただし、扶養控除を受けるためには、【税金面】、【社会保険】それぞれで所得額などの条件が発生します。

個人事業主が家族の扶養に入る条件:税金面

まず、所得が48万円以下の個人事業主は家族の扶養対象になります。

所得が48万円以下は確定申告の必要がないためです。

所得とは、1月を起算として12月までの年間収入から経費を差し引いたものなので、何を経費計上にするかが大きなポイントになります。

個人事業主は経費計上できる幅も広いため、多くの出費を経費にできないか考えてみましょう。

また、所得が38万円以上になった場合でも、確定申告を行うことで扶養対象になります。

この場合、青色申告を行うことで、最大65万円の青色申告特別控除額(複式簿記+e-tax利用の場合)を受けられますので、控除額が大きくなります。

有効的に活用することで、家族の扶養内でも個人事業主で働くことが可能でしょう。

個人事業主が家族の扶養に入る条件:社会保険面

保険に関しては、扶養を受ける家族が入っている保険の種類によって条件が変わってきます。

多くの健康保険では必要経費を差し引き、年間に得る予定の見込み額が130万円を超えているかどうかが判断条件となります。

ここでいう必要経費とは、幅が狭く、売上原価など直接的経費のみで、接待交際費や雑費はこの場合認められず、地代家賃や水道光熱費なども証憑書類を添付した上で申告をする必要があるなど条件付きで厳しくなっています。

ただ、なかには、個人事業主は一切扶養に入れることはできないところもあるので、(扶養を受ける家族が)加入している保険の種類(国民健康保険、協会けんぽ、共済保険など)を確認してください。

年金に関しても、年収が130万円を超えなければ、扶養に入ることができ、扶養に入ると第3号被保険者となります。

この場合、必要経費を差し引いた所得額ではなく、収入額で年収130万未満なので気を付けましょう。

まとめ

今回は「個人事業者の扶養に関する疑問を解決」についてお送りしました。

家族が個人事業主の扶養に入る場合も、個人事業主が家族の扶養に入る場合も、所得の制限などややこしい条件がどうしてもあります。

自分で細かく計算して時間を割くのもあまり得策ではないので、一度、社労士さんなどに相談して明確にしておくのもひとつの方法かと思います。

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