職歴が一番困るフリーランスの履歴書の書き方を5分で解決

フリーランスの方は履歴書を求められると、「えっ、どう書けばいいの??」と悩むことがありますね。

履歴書の書き方例を見ても、ほとんどが新卒や第二新卒設定で、職歴は企業への就業履歴が少しある程度なことが多く、「それは書けるんだよ……」と思った方もいるのではないでしょうか。

今回は、フリーランスの履歴書についてお話します。

目次

そもそも履歴書って何を書くもの?

履歴書って、就業しようとするとかなりの確率で提出を求められる書類ですよね。
学生のアルバイトでさえ、履歴書の提出を求められることが多くあります。

フリーランスの場合、履歴書を求められる機会はそう多くありませんが、まったくないとはいえません。
実際、私もフリーランスになって以降も5回くらいは履歴書を書いています。

では、そもそも履歴書とは何なのでしょうか。

JIS規格の履歴書があった

つい最近、2020年まではJIS規格の履歴書様式例がありました

JIS規格とは、日本産業規格(Japanese Industrial Standards)のことで、日本の産業製品に関する国家規格です。

日本の規格ですが、国際規格との整合性も図られているので、多くの日本製品はこのJIS規格に沿って作られています。
JIS規格であることは、それだけ信頼性が高いということですね。

そのJIS規格の様式例に沿ってつくられた履歴書がありました。
履歴書にはさまざまなものがありますが、その様式例がベースになって作られてきました。

JIS規格の履歴書を見てみると、

  • 顔写真
  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 年齢
  • 現住所
  • 連絡先
  • 学歴・職歴
  • 資格・免許
  • 志望動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど
  • 通勤時間
  • 家族構成/配偶者/扶養家族
  • 備考その他

といった欄があります。

では、なぜこの履歴書様式例が削除されたのかというと、性別、年齢、顔写真の欄が、偏見を助長すると判断されたから。

性別は、男女雇用機会均等の面からも、性同一性障害のような個人の内面的な問題からも難しい問題だし、写真を添付することで無意識に写真から受ける印象が採用に大きく作用してしまうことは心理実験でも知られているところです。
国によっては、性別、年齢、人種、顔写真を法律で禁じている場合もあるくらい、国際的にも重視されてきています。

ただ、JIS規格から様式例が削除されたからといって、急に履歴書が大きく変わることはありませんから、これを参考にすることで履歴書がどういうものなのかを知ることができます。

履歴書とは

前置きが長くなりましたが、履歴書とは学業や職業などの経歴を記した選考書類のことです。

先の例から履歴書に必要な項目を整理すると、

  • 名前や連絡先など事務処理に必要な項目
  • 学歴と職歴
  • 資格と免許
  • 志望動機や自己PR
  • 通勤時間や家族、その他あらかじめ留意を求めたい事項

ですね。

企業ごとにオリジナルの履歴書が指定される場合もありますが、概ねこれらの内容が記されていれば良いので、自分の使いやすいものを選んで問題ありません。

また、法律で項目が規定されているわけではないので、指定された項目に必ずすべて答えなければならないこともありません。
面接でも、出身地や親の職業など、差別や偏見につながる項目について回答の拒否をすることができますが、履歴書も同じです。

ただ、日本の特性として、国際標準に照らして変わっていくのには時間を要する傾向にあります。
性別はともかく、顔写真はまだまだ求められるケースの方が多い気がしますし、周囲が顔写真を添付する中で顔写真がないというのは、心理的に不利になる可能性が否めないというなんとも難しい判断になるかもしれません。

フリーランスの履歴書の書き方

職歴をどうするか

偏見や差別といった問題は今回の主題ではないので置いておくとして、フリーランスの履歴書で特に困る部分は「職歴」です。

学歴も職歴もない期間というのは、日本ではとても気にされる部分なので、空白の期間があると説明を求められます。

個人的には「そこ本当に重要?」と思いますが、残念ながら履歴書は企業側が選考するための書類ですからね。
採用してもらおうと思うと、企業側の望む方向に努力すべきです。

が、フリーランスだとどこかの企業に属しているわけではないし、そんなに長い期間同じ企業だけと仕事をしていることも稀です。
そもそも職歴にはアルバイトやパートは含めないという慣例もあるので、「え、自分何年も空白じゃない?」と思うこともあると思います。

では、フリーランスの職歴をどう書けば良いでしょうか。

開業届を出していれば「開業」「廃業」でOK

まずは、開業届を提出していた場合です。

正しくは「個人事業の開業・廃業等届出書」といいますが、要は個人事業主として税務署に届け出ているのであれば、自営業としてサクッと履歴書に記入ができます。

履歴書には、就職した時と同様に

2020年1月 ○○○○ 開業

と書けばOKです。
開業の年月日は開業届の控えを参照しましょう。

「○○○○」には、開業届に記入した「屋号」というものを書きます。
屋号は、個人事業(自営業)にとっての会社名みたいなもので、自由に設定することができます。

もし自営業をやめるのであれば、開業と同じく「個人事業の開業・廃業等届出書」で廃業届を出し、履歴書には、

2020年2月 ○○○○ 開業
2021年1月 ○○○○ 廃業

と書けばOKです。

ただ、これだけではどんな仕事をしていたのかがわかりにくいですね。
そこで、もう一行使ってどんな仕事をしていたのかも付記することができます。

2020年2月 ○○○○ 開業
      WEB記事を中心にライティング業務に従事
2021年1月 ○○○○ 廃業

これは、履歴書上はなくてもかまわないものです。
ただ、選考書類なので相手に伝わらなければ意味がありませんから、可能ならば一行入れておく方がいいですね。

もし、履歴書といっしょに職務経歴書の提出もするのであれば、

2011年2月 ○○○○ 開業
      文筆業に従事(別紙職務経歴書参照)
2021年1月 ○○○○ 廃業

としてもかまいません。

職務経歴書は、履歴書とは違い、学生時代のアルバイトなんかも含めた職歴の詳細を書くことができます。
履歴書は簡潔に書くことを心掛け、細かい部分は職務経歴書にまわしてしまいましょう。

開業届を出していない場合の書き方

税務署に開業届を提出していない場合には、屋号がありません。

その場合は、「個人事業主」として活動していると記入します。

2015年3月 個人事業主として活動開始
2018年4月 個人事業主として活動停止

この場合も、開業届を出していた時と同様に、もう一行設けてどんな仕事をしていたのかを記載しておくとわかりやすいです。(書き方は前節↑参照)

開業届を出していないけれど所属がある場合

開業届を出していない場合でも、所属がある場合もあります。

たとえば、クラウドソーシングに登録して、そこで受注していた場合です。

そういう場合には、登録したところを書いてもOK。

2019年5月 個人事業主として○○○へ登録
      記事執筆・編集業務の受託
2020年6月 ○○○を退会

「○○○」にはクラウドソーシングの名前を書きます。

どう活動していたのかがわかりやすいので、書けるなら書いておきましょう。

職歴が多すぎる場合の書き方

私なんかは、最初は開業届を出さないフリーランスだったし、ダブルワークも多かったし、途中から開業届を出して自営業になったしで、職歴がものすごく多くなってしまいます。

これを複数枚に渡ってつらつら書いていっても、何のメリットもありません。
だってそんなの誰も読みたくないもの!(笑)

そういう場合は、収まる程度に職歴を書いていって、最後の行に「詳細については、職務経歴書をご参照ください」と書き、履歴書の職歴と同じフォーマットできっちり書き上げたものを職務経歴書に含めておくのが良いです。

履歴書は、1枚に収まっているからいいんです。
ざっくり、でもひととおり、ちゃんとその人の経歴がわかるというのが履歴書。

さらに掘り下げたい話は、職務経歴書の役割です。

ただし、「履歴を省略する」という行為自体はNGなので、履歴書で省略せざるをえなかった場合には、全網羅版を職務経歴書に含めておくのがポイントです。
その場合、提出を求められていない職務経歴書を履歴書に添付して提出することは可能です。

自己PRや備考も活用して

自己PRや備考については、フリーランスでも他の人と書き方は変わりませんから細かくは書きませんが、職歴だけではどんなことができるのかが伝わりにくいのがフリーランスです。

ですから、自己PRや備考欄はとっても大切。

枠が限られているので、相手企業にとって役立つ情報、採用したいと思ってもらえるような情報を選んで書くように心掛けましょう。

履歴書の書き方Q&A

その他履歴書を書いていて悩む部分をまとめてみました。

年は和暦(元号)で書かなきゃいけないの?

いいえ、年は和暦でも西暦でもかまいません。

履歴書のサンプルを見ていると、いまだに「平成」とか「昭和」とか書かれているものが多いですね。

これは、「公的文書は元号を使用する」という慣例が原因だと考えられますが、実は「元号を定める」法律は存在するものの、「公的文書に元号を使わなければならない」という法律は存在していません。

ただ、非常に面倒な背景もあって、公文書を西暦にしようという話が出たものの、公文書への西暦表記義務化は2018年に見送られています。
慣例の問題やシステムの問題だけでなく、西暦はキリスト教に由来するものだから宗教も絡んできちゃうんですよね。

そういった背景もあり、履歴書の年は和暦(元号)でも西暦でもどちらでもかまいません。

昭和○年を「S○」って書いてもいい?

履歴書で省略はダメです。

元号で書くのなら「昭和」「平成」「令和」ときちんと書きましょう。
同様に、「株式会社」を「(株)」と書くのもNGです。

手書きじゃないとダメ?

基本はパソコンでOK!

いまだに手書きを好む業界もありますが、もうほとんどの企業がパソコンで作成したもので良いとしています。

むしろ、汚い読みづらい字を並べられるより、読みやすいきれいな字の方がずっといいと言われることのほうが増えてきているので、特別な事由がなければパソコンで作成してしまいましょう。
特にフリーランスの場合は、使い回せた方がいいですしね。(就職してしまえば当分履歴書不要ですが、フリーランスはそうとは限りませんから)

私は、紙で直接持っていく場合には、氏名だけを自署したりもします。
つまりはサインですよね。
もう選考書類もメール添付なことが多いのでそういう機会も減っていますけどね。

A4のプリンタしかないんだけど……

企業の多くは、履歴書「A4用紙2枚」でも受理してくれます。

履歴書のほとんどがA3サイズですが、自宅にあるプリンタなんてだいたいA4までしか印刷できませんよね。
企業側もわかっているので、最近ではA4用紙2枚になっても受理してくれるのが普通です。
そんな理由で履歴書をもう一度送ってこいなんて言われたことはありません。

ただ、1枚で経歴が見渡せるというのが履歴書のいいところなので、気になるのならコンビニのプリンタを活用しましょう。
コンビニや置いてある機種によって、印刷できるファイルや印刷方法は異なりますが、A3で印刷できるのでバッチリ1枚に収められます。

フリーランスになったものの仕事がなかった期間は?

営業や受注準備はお仕事です。

「受注できる仕事がない」ことと「仕事をしていない」ことは別です。

普通の企業だって、営業も立派な仕事だし、新店舗の開店準備だって当然お仕事ですよね。
だから、準備や営業の期間は個人事業主としてカウントすることができます。

フリーランスから正社員を希望するのは不利?

フリーランスの期間をちゃんとアピールしましょう。

フリーランスになったものの、やっぱり正社員になりたいと考える人も多いと思います。
そういう場合、フリーランスの期間がマイナスに捉えられてしまうのではないかと考えている人も多いのですが、そんなことはありません。

フリーランスは営業や経理も含めて全部自分で処理していることが多いので、それだけ多くのことができるということもできます。
また、特化した仕事をしていたわけですから、その内容も強みになるはずです。

大事なのは、どんなことをしてきて、それが今どう身についているのか、また、相手企業にとってそれがどう役立つのかを、わかりやすくアピールできるようにしましょう。

履歴書はできるだけ簡潔に、でも省略はせずに経歴を示すもの。
職務経歴書を添付したり、自由記述欄を上手に活用して、相手企業にわかりやすい読みやすい履歴書を心掛けましょう。

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