フリーランスだと保育園は無理? 保育園を利用するには

「自宅で仕事ができるから」「フレキシブルに時間を使えるから」とフリーランスを選んだはいいけれど、「子どもがいると結局仕事にならない!」なんて育児フリーランサーも多いのでは?

そうでなくても、小学校へあがる前には集団生活を経験させておいてあげたいですよね。

そこで今回は、育児フリーランサーのための保育園事情についてお話していきます。

目次

フリーランスの保育園利用は難しい! その理由は?

フリーランスの場合、お子さんを保育園に預けるのはなかなか難しい部分があります。なぜでしょうか。

そもそも保育園とは

広く一般に「保育園」と呼ばれているものは、「保育所」のことです。

保育所とは、厚生労働省が管轄し、地方公共団体や社会福祉法人が市町村に届け出て設置するもので、

保育所は、日日保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設とする。

児童福祉法第39条

と定められる児童福祉施設です。

もっと簡単にいえば、「子育てが十分にできない保護者のために設けられた児童福祉施設」なんですね。

そのため、1日原則8時間の預かりで、夏休みなどの長期休業日も設けられていません。

この「保育所」は、「幼稚園」とは異なります

幼稚園は、文部科学省の管轄で、学校教育法に規定された施設です。
つまり、福祉施設ではなく教育施設なんです。

そのため、1日4時間の預かりが標準で、夏休みや春休みなどの長期休業日もあります。

働いている先生も違っていて、保育園では保育士が、幼稚園では幼稚園教諭が「先生」を勤めています。

「保育園」が、未就学児の保育を担う全施設を指す場合もあります。
「認可保育園」という言い方をすれば、保育所だけでなく幼稚園や認定こども園、地域型保育、企業主導型保育事業なども含まれます。
ただ、単に「保育園」というと、「保育所」を指している場合が多いですね。

保育園(保育所)は居宅内労働に厳しい

では、なぜフリーランスだと保育所に預けるのが難しいのでしょうか。

そのいちばんの理由が、フリーランサーの多くが居宅内労働(家で仕事をしている)だからです。

多くのフリーランサーは自宅で仕事をしていますね。
「家にいるなら、子どもを保育できるんじゃない?」というのが、まず根底にあります。

「いやいやいや、コロナでわかったでしょ? 家に小さい子が居たんじゃ仕事なんか進まないってば!」

うん、そうなんですけどね、でも、児童福祉施設なわけですよ。
しかも受け入れ数に限りのある施設なんです。
となると、より切迫している人に利用してもらわなければなりません。

「フルタイムで接客業に従事している保護者」は、子連れで仕事は不可能です。
それに比べれば、同じ時間、あるいはそれ以上の就業時間だったとしても、「自宅で仕事をしている保護者」の方が保育可能と見られるのは、客観的に正しいといえるでしょう。

そういった事情で、保育所の多くは自宅で仕事をしている保護者よりも勤めに出ている保護者の方を優先する傾向にあるのです。

待機児童についても知っておこう

もっとも、福祉施設なのですから、必要とする人全員が利用できるのが理想でしょう。
しかし、受け入れられる人数には限度があります。
これは仕方がありません。

また、フリーランスに限らず、保育所に限らず、子どもを預けることのできない保護者がたくさんいます
この問題を「待機児童問題」と呼んでいて、特に都市部では「どこにも預かってもらえない子ども」がたくさんいます。

待機児童が多ければ多いほど、フリーランサーは子どもを保育所に預けるのが難しくなるのは言うまでもありません。

フリーランスが保育園を利用するためにすべきこと

厳しい現実はわかりましたが、それでも保育所を利用したいですよね。

だって、保育所なら1日8時間も預かってもらえるんです。
幼稚園だとお昼過ぎに帰ってきちゃうところが、保育所なら夕方まで預かってもらえる。
その方が絶対仕事がはかどります。

では、フリーランスで保育園を利用するためにはどのような準備をすれば良いでしょうか。

多くの保育所が「点数制」

たくさんの希望者から公平に利用者を決定するため、多くの保育所では「点数制」を採用しています。
つまり、どのくらい保育所が必要なのかを得点化していくわけです。

居宅内労働の方が居宅外労働よりも不利になるのも、この点数が低いからなんですね。

この基準は、地方自治体によって大きく異なります

厚生労働省から「多様な働き方に応じて保育所の利用調整も見直しなさいよ」という連絡は回っているのですが、それをどの程度、どのように反映して運営しているかは地方自治体の裁量に任されているからです。

ですから、まずはお住まいの役所に行って相談してみましょう。
「フリーランスでも申し込みはできますけど……」と冷たい場合もないとは言えませんが、細かく教えてくれる場合も多いです。

また、ホームページに点数化の指標となる「基準指数」「調整指数」などが掲載されている場合もあるので、あわせてチェックしてみましょう。

制度が分かれば対策もしやすくなります。

「がっつり仕事をしています」アピール

次は、「がっつり仕事をしています」とアピールできるようにしましょう。

フリーランスって、幅が広すぎて就業のイメージがうまく伝わらないんです。
職種もいろいろ、就業時間もいろいろ。
人によっては、「空き時間にちょっと仕事してるだけでしょ」というイメージで捉えられる可能性もあります。

それを回避するために、まずは「がっつり仕事をしています」アピールができるように準備します。
具体的には、

  • 開業届を出す
  • 就労実績表を作る
  • 確定申告をする

があります。

開業届は、税務署に提出するもので「個人事業の開業・廃業等届出書」というものです。
これを出すことによって、フリーランスが「個人事業主(自営業)」に格上げされます。ずいぶんイメージが変わりますよね。(実態は全然変わらないんですけどねぇ)

それでもどのくらいの時間働いているのかとか、どんな仕事をどれくらいしているのかは伝わりません。
そこで、「就労実績表」の出番です。
直近3ヶ月くらいでいいので、

  • 就労時間
  • 仕事実績

を完結にまとめれば良いです。
このとき、

  • 客と会う
  • 居宅外へ赴く
  • 危険な作業を伴う
  • 集中が必要

など、保育が難しい場面があるのならばそれが伝わるように書いてください。考慮の対象になる可能性があります。
私なんかは取材であちこちに行くので、その辺を盛り込めますね。

そして、その仕事できちんと報酬を得ているという証に、確定申告書の控えを用意します。
雑所得ではなく、事業所得で申告しましょう。
貸借対照表損益計算書も添付できると「おお、ちゃんと個人事業主!」って感じがします(笑)。

1歳未満から預けておく

一般企業なら、産後1年くらい育児休暇がもらえますね。
ですが、フリーランスの場合には育休なんてものがないので、単に「お休み」または「仕事を減らす」という対応になりがちです。

その後保育所に預けたいと思っても、「今まで育児ができていたのなら、この後もできるんじゃないの?」となりかねません。

本来、育休終了のタイミングは「優先利用の対象」になるものなので、厚生労働省としては「自営業で育児休暇取得ができない場合も同様の扱いを」と言ってはいるのですが、実際の扱いとしては判断が難しいので、うまく考慮してもらえない場合も多くあります。

だったら、1歳未満の乳児の時から預けておくのも手。

利用者が少ない層なので「ああ、預けなければならないんだな」と理解してもらいやすいし、その後も変に説得する必要なく継続してもらえる可能性が高くなります。

同様の視点から、「どれだけ育児を他の人の手に頼ったか」を記録しておくのも良いです。
この後に説明しますが、保育所の利用以外にも育児の手助けはたくさんあります。
それらをどのくらい利用したのかを明らかにできれば、それが「保育を委ねる必要性」の証明になります。

保育園(保育所)にこだわらない子育ても考えよう

保育所はいろいろ魅力的ですが、地域によってはかなり狭き門。
毎日フルタイムで勤めに出ていたって入れないケースは多々あります。

ですから、他の子育てについてもあわせて考え、柔軟に活用していくのがおすすめです。

保育所

前述のとおり、保育所は児童福祉施設です。
原則1日8時間預かってもらえるのでありがたいですが、利用できればラッキーくらいに構えたほうが気は楽ですよ。

幼稚園

幼稚園は、保育所の次にメジャーな保育施設ですね。
教育施設なので、幼稚園ごとに様々な特色があり、英語ピアノダンスなど、将来の幅を広げてくれそうなカリキュラムを設けているところも少なくありません。

受験のある名門幼稚園の見学に行かせてもらったことがありますが、その辺の中学生より勉強しているんじゃないかと思うくらいでした。
もちろん幼稚園によりますが、学力や才能を伸ばせるいい機会になり得ます。

認定こども園

保育所と幼稚園、つまり保育と教育の両方を併せ持つ施設です。

最初から幼保連携の施設として運営されているところもあれば、幼稚園が保育時間を伸ばして夕方までみてくれたり、保育所が特に保育に欠くわけではない保護者の子どもも受け入れていたりします。

就学前の子どもたちに、幼児教育と保育の両方を一体化して提供し、地域の子育て支援をしていこうという比較的新しい取り組みです。

地域型保育事業

0~2歳児のための小規模保育事業として、地域型保育事業というものがあります。
平成27年からスタートした新しい取り組みです。

運動場のような広いスペースはまだ要らないので、もっと小規模な施設にしたり、保育士が不足しているので、保育士でない人も先生として働けるようにしたり、と、様々な条件が緩和されています。

認可外保育園

「認可外」と聞くと、なんだか怪しい施設のように思えてしまうかもしれませんが、「厚生労働省が定める基準を満たしていない保育施設」のことです。

厚生労働省の基準外なだけで、東京都が認める「認証保育園」なんかもここに入るので、あまり身構える必要はありません。
行政から補助金の出ているような認可保育園は各行政の定める基準を満たしていますから、安心して活用していきましょう。

一時預かり

実は毎日ずっと預かってもらう必要はないかもしれません。

業種や就業時間にもよりますが、基本自宅で仕事をしているフリーランサーや、フルタイムほどではない就業時間のフリーランサーであれば、週に数日程度預かってもらうのでも足りるかもしれません。

その場合には、一時預かりを検討するのも手です。

入園よりずっとハードルが低くなるので、利用しやすいですよ。

ベビーシッター

ベビーシッターをお願いするのもありです。

日本ではまだまだ浸透しているとはいい難いかもしれませんが、海外ではわりと普通。

しかも、自宅で仕事をしているのであれば、自分も近くにいるので安心です。
一時期ベビーシッターによる虐待、わいせつ行為などが取り沙汰された時期もありましたが、そういう不安もないわけです。

ベビーシッターのマッチングアプリなどもあるので、いろいろ試してみるといいですよ。

家族や親類も頼って

家族や親類も、頼れるのなら頼りましょう。

今は核家族化も進んでいるし、わりと高齢になっても働いていたりして忙しいというケースも増えているので、助力を得るのは難しいかもしれません。

ですが、頼れるのなら頼ればいいんです。

パパとママがローテーションで育児を担っているようなお家もあります。
もちろん、おじいちゃんおばあちゃんが見てくれることもあります。
身内と一時保育を組み合わせてもいいんです。

自分の仕事と子どもの幸せのために、柔軟に子育ての方法を考えていってくださいね。

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