フリーランスの手取りを計算しよう! 経費だけじゃない手取りの計算

「フリーランスになりたい!」と考えるのなら、当然いくらくらい儲かるのかは気になるところですよね。

ここで重要なのは、報酬金額がいくらかではなくて、「自分の手元にはいくら残るのか」です。
会社員のつもりで手に入ったお金を「手取り」だと思っていると、フリーランスではたちまち困ったことになります。

今回は、フリーランスの「手取り」について、具体的な計算方法とシミュレーションをしてみましょう。
知らなかったでは済まない大事なお話なので、しっかり勉強してくださいね。

目次

フリーランスが払わなければならないもの

まずは、会社員ならば意識しなくても自然と払えているけれど、フリーランスだと自分で払わなければならないものについて考えてみましょう。

会社員の人は、給与明細を見てみてください。

基本給や各種手当などの総支給額と、実際に銀行に振り込まれている差引支給額にはずいぶん差がありませんか?
収入額や扶養などによってその差には個人差がありますが、例えば私の主人の某月明細では、なんと10万円ほどの差があります。(もちろんそんなに引かれていない人もいますよ)

いったい10万円ものお金がどこに消えているのか。
ここをチェックしていくと、フリーランスが払わなければならないものが見えてきます。
細かく見ていきましょう。

健康保険

健康保険とは、医療保険のことですね。
怪我や病気で病院のお世話になるときに、少額の支払いで済むのはこの健康保険があるからです。

健康保険は、健康保険法という法で定められているもので、日本国民には加入の義務があります。

会社員は、その会社の協会や組合の健康保険に加入していますから、給与から健康保険料が天引きされているわけです。

フリーランスの場合は多少複雑なのですが、一般的には国民健康保険という市町村の健康保険に加入することになります。(それ以外の場合もありますが、長くなるのでひとまず置いておきます)

この国民健康保険、決して安くはありません
市町村単位だし、年齢も関係するし、世帯で計算されるもだしで簡単にはいえませんが、私の住んでいる愛媛県新居浜市で、30代/税込年収400万円として単身加入すると、1ヶ月あたり26,898円と試算されます。(下記サイト利用。改正される年もあるのであくまで目安に。詳細と最新情報は管轄の市区町村で確認しましょう)

 国民健康保険計算機
 http://www.kokuho-keisan.com/

介護保険

さらに、40歳を迎えると健康保険だけでなく介護保険義務付けられています。
私も来年からです(苦笑)。

ただ、介護保険料は健康保険料と一緒に徴収されるので、あまり意識していない人もいるかもしれませんね。

65歳を過ぎると健康保険料がなくなるので、急に介護保険料の請求だけがやってきますから、その時に気づくようなケースもあるそうです。

年金

年金も、日本国民であれば加入の義務があります。
先の健康保険や介護保険とあわせて、「社会保険」と呼ばれます。

年金は、給与明細からは「厚生年金」として引かれていることが多いと思いますが、これは会社員だから加入できる年金です。

フリーランスの場合には、概ね「国民年金」に加入することになります。

こちらは全国一律の料金で、今年2021年度は月額16,610円になっています。こちらも年度により変動しますが、少子高齢化時代なので今後も少しずつ上がっていくことになりそうです。

余談ですが、会社で引かれている厚生年金は、国民年金にあたる「基礎年金」と組合や協会の「厚生年金」が合算されているので、そこから抜けて国民年金だけになると将来受け取れる年金は大幅に減ります。
それを回避するため、国民年金に加えて「国民年金基金」に加入することが可能です。
こちらは義務ではありませんが、フリーランスになるのであれば検討すべきポイントですね。

 全国国民年金基金
 https://www.zenkoku-kikin.or.jp/

住民税

住民税は、住んでいる都府県市区町村に納める税金です。
お住まいの市区町村によって異なります。

 住民税の自動計算サイト
 https://juuminzei.com/keisan/

前年の所得に応じて変動(所得割といいます)するので、稼げば稼ぐほど払う額も増えます。
また、所得割だけでなく均等割で加算される分もあります。

住民税が怖いのは、前年の所得で計算される点。
フリーランスは収入にアップダウンがありますが、前年にたっぷり稼いで翌年減収すると、減収前の所得で計算された住民税の請求がやってきます。
これを知らないとえらいことになるので、特に注意してくださいね。

所得税

所得税も所得に応じて計算される税金ですが、こちらは国に納める税金です。

概ね所得の10%くらい(今は復興特別所得税分が増なので実際にはもうちょっと多く)がこの所得税になるのですが、所得税だけはフリーランスでも天引きされていることが多いです。

個人からの依頼を受けた場合には所得税が引かれていないこともあるので注意が必要ですが、企業からの依頼であればフリーランスへの報酬であっても所得税を天引きして支払うことになっています。(これを「源泉徴収」といいます)

源泉徴収税は代わりに納めておいてくれるので、後で多額の所得税請求が来るようなことは稀です。
年間の所得で計算をしなおして、足りなければ払う、払いすぎていれば戻ってくる、というのが「確定申告」なので、そんなにたくさん稼いでいないフリーランサーは、確定申告で全額が戻ってきたりするケースもあります。
私も追加で払ったことはありません。

会社員にはないフリーランスだからこその支出も

給与明細を眺めているだけでは見落としてしまう、フリーランスならではの支出もあります。

消費税

お買い物をしたときに払う消費税ではなくて、クライアントから預かった消費税を納税しなければならない場合があります。

これに該当するのは、年間の売上が1,000万円を超えた場合なので、多くのフリーランスの方は該当しないと思うのですが、念頭に置いておきましょう。

個人事業税

フリーランスであっても、事業所得として申告するのであれば税法上は個人事業ですから、個人事業税がかかる場合があります。

こちらは、年間の所得が290万円を超えた場合にかかるもので、業種によって税率が異なります

ちなみに、私の「ライター」という仕事は個人事業税の対象外なので、290万円を超えても個人事業税はかからないことになります。
システムエンジニアの場合には業種判定に微妙な部分があるので、関係各所に相談することをおすすめします。

経費

業種によっては、経費もしっかり考えておかなければなりませんね。
定額の支出があるのなら、手取りから引いておきましょう。

ちなみに、フリーランスでは経費は収入から差し引いて所得を計算することができます
ただ、会社の福利厚生のようなものはフリーランスの経費としては認められていません。
慰安旅行だったり、健康診断だったりは経費外ですから注意しましょう。

その他フリーランスが差し引いて計算したい支出

払わなければならないものとしては、大きく「社会保険料(健康保険と年金)」と「税金(住民税と所得税)」の2つなのですが、他にも事前に収益から引いておきたいものがあります。

生命保険や火災保険など各種保険

生命保険や火災保険といった任意で加入する保険は、収入からしっかり差し引いて計算しておいてほしいのです。
会社で団体保険に加入していた場合には給与から天引きされているので、フリーランスに転向する場合にはあわせて確認しましょう。

特に、怪我や病気の際の保険は内容までしっかり見直して、必ず加入しておくことをおすすめします。

怪我や病気で働けなくなったとき、会社員なら有給があったり、会社の制度でいくらかお金がもらえたり、辞めても失業保険があったりしますね。
ですが、フリーランスでは誰も助けてくれません。

私も入院したことがありますが、たった10日の入院だって月の3分の1ですから、単純計算で月収が3分の1になるわけです。
さらにそこから医療費の支払いですから、けっこう大変!
幸い、私は医療保険の入院保障があって1日1万5千円くらいもらえたので、ゆっくり休むことができました。

私は個人年金にも加入しています。
保険会社のもので生涯もらえるわけではありませんが、国の年金制度だけでは不安なのもあるし、所得税控除の対象でもあるので貯蓄よりお得です。

フリーランスは健康も老後も自己責任なので、保険はしっかり吟味しておきましょう。

フリーランスの手取りをシミュレーションしよう

なにごとも準備やシミュレーションが大切です。
せっかくフリーランスの手取りが気になったのなら、この機会に具体的にシミュレーションしてみましょう。

まずは、手取り総額を算出します。

自分の「ウリ」を考えて、ネットで案件を探してみましょう。
私は「クラウドワークス」や「ランサーズ」など、フリーランスのための受発注サイトを利用しています。
募集中の案件は概ね見ることができるので、そこからだいたいの相場を掴むのが近道です。

 クラウドワークス
 https://crowdworks.jp/dashboard
 ランサーズ
 https://www.lancers.jp/

ここであまり多く見積もらないこと!
特に今はフリーランスで働く人が増えているので、割のいい仕事には応募が殺到します。
特に実績の少ないうちは、依頼してもらえれば御の字です。
また、案件を読んで把握した内容よりも実際の依頼内容が細かかったり変更があったりで、事前に見積もっていたよりも時間がかかることもあります。思ったよりたくさん仕事を受けられないとたちまち収入減になってしまいます。

手取り総額が出たら、今度はそこから

  • 経費
  • 社会保険(健康保険+介護保険+年金)
  • 税金(所得税+住民税+消費税+事業税)
  • その他保険など差し引いておくべきもの

を引きましょう。

<30代単身のライターで年収400万円の例>
年収400万円
 - 所得税約10%(源泉徴収済み) = 手取り総額約390万円
 - 経費20万円(システム手数料、光熱費家事按分、事務用品、参考書籍等)
 - 健康保険料322,780円(愛媛県新居浜市で計算、介護保険なし)
 - 国民年金199,320円(2021年16,610円×12ヶ月で計算)
 - 住民税312,700円(愛媛県+新居浜市で計算)
 - 生命保険36,000円(月3,000円として)
 - 個人年金120,000円(月10,000円として)
= 実質手取り2,809,200円(月234,100円)

※ 白色申告として計算。所得控除額が変わるので、青色申告特別控除適用では年19万円程度の増になります。下記などが参考になります。
 個人事業主のかんたん税金計算|弥生会計
 https://www.yayoi-kk.co.jp/kakuteishinkoku/simulation.html

結構引かれますよね。
うちの主人の給与明細では諸々で月10万円くらいが引かれていたわけですが、上記でも同じくらいが引かれている計算です。
もちろん、事業内容や年収が変わればこれは大幅に変動します
主婦が扶養の範囲内で稼げば、所得税はまるっと返ってきますし、社会保険料や住民税もかかりません。

ちなみに、フリーランス用の受注サイトの多くでは手数料が差し引かれます。
これは経費にあたるので、経費として忘れずに引いておきましょう。

これで、手取りの金額がシミュレートできました。
残りはお給料をもらっている会社員と同様に、生活費を考えてみるといいですね。

最初は副業フリーランスから始めておくと、手取り総額をより正確に算出できます。
特に会社の退職を考えているのであれば、事前にどれだけシミュレーションできているかが成功の鍵になりますから、よく検討してくださいね。

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