フリーランスの中で、もっとも安定して高収入を得ている業種がエンジニアです。
年収1,000万円以上を稼ぐ人もいるというのだから、夢のある話ですよね。
とはいえ、フリーランスエンジニアのすべてが高収入を得ているわけではなく、せっかくフリーになったのに会社勤めに戻っていくエンジニアも少なくありません。
今回は、エンジニアに絞ってフリーランスのメリット・デメリット、そして、フリーランスエンジニアとして成功する方法についてお話していきます。
フリーランスの魅力はどこにある?

まずは、フリーランスエンジニアの魅力を見ていきましょう。
フリーランスだからできること
フリーになるメリットは、なんといっても「自分で仕事を選べる」ということです。
もちろん、オファーがないことには選べませんが、「それは嫌です」と言うこともできるし、そこまで極端にならなくても、自分が納得できる要件に交渉することができます。
これはエンジニアでなくても同じですね。
会社の命令に従わなくてもいいというのはものすごい魅力です。
実は私もエンジニアになるべく研修付きの会社に就職してCOBOLやJavaなんかを勉強していた時期があるのですが、職場の喫煙率と、大変申し上げにくいんだけれども男性の毛根死滅率が……そこはかとなく高いなぁ……、と。
その会社だけかもしれませんが、たぶんストレスがすごく強かったんじゃないかと思うんですよね。
大学時代の友人も数人会社員エンジニアですが、飲みに行くと愚痴が絶えません。
今会社員エンジニアとして働いている方は、たぶん「うんうん」と納得してくれていると思います。
あとは、有能な人ほど短時間で仕事をこなせるのも魅力の一つですね。
日本の会社って、基本的に時間制。
こういっちゃなんだけど、無能な人の方が仕事内容は少ないのに遅いから残業代が付いたりして、なんだか理不尽な気持ちになったりするんですよね。
それが、フリーになるとなくなります。
基本的に契約単位での仕事になるので、成果が出ればいいんです。
あとは自由。
- 仕事を選べる
- 時間ではなく成果に対する評価
- ストレスが減る
最高ですよね。
なぜエンジニアは高収入なのか
フリーになるメリットの主軸は、エンジニアに限らずどの業種でも似たりよったりです。
では、なぜエンジニアは高収入なのでしょうか。
それは、「誰にでもできる仕事ではないから」です。
クライアントが「自分で勉強してみようかな」と思っても難しい、専門知識が必要不可欠であることが、高収入の秘訣です。
買わなきゃ手に入らないものになら、みんな大枚を叩くんです。
しかも、今の時代には必要不可欠。
農業にだってコンピュータや機械、科学の力が必要な時代ですからね。
需要が大きく、高い専門知識が必要だからこそ、高い収入が期待できるわけです。
チェックしておきたいデメリット

とはいえ、メリットしかないものなんてこの世にありません。
デメリットも確認しておかなければなりません。
仕事が得られるかどうかはわからない
自分で仕事を選べるとはいえ、クライアントがオファーしてくれないことには仕事がありません。
仕事がないかもしれないということは、当然収入も安定しないということです。
社会保険がない
フリーランスで意外とつらいのが、社会保険がないこと。
会社で半額払ってくれていた年金や健康保険はもちろん、団体生命保険や失業保険なんかもありません。
全部自分持ち。
厚生年金がなくなってしまう分、老後の不安も残ります。
研修がない
会社にいれば、自然と新しい技術や情報が入ってくるものですが、その辺の話も自分でアンテナを張って自己研鑽に努める必要があります。
もっといえば、研修に参加するのも自費。
会社にいれば、研修に行かされたりすることもあるのに、その辺も全部自己責任です。
流行りの言語は何か、新しい技術は出ていないか、バグの報告は?
会社員なら自然と入ってきた情報を、自分で取りに行かなければならないというのは意外と重要で意外と大変です。
困った時にぱっと相談できたりもしませんしね。
ローンが組みにくい
どうしても収入にアップダウンがあるので、年収の割にはローンが組みにくいというのもフリーエンジニアのデメリット。
エンジニアに限ったことではありませんけどね。
稼げるフリーランスエンジニアになりたい!

デメリットを知ってもフリーランスエンジニアを目指したいという人は、もう少し具体的にフリーランスエンジニアについて知りましょう。
フリーになっても「常駐案件」がある
フリーランスと聞くと、自宅で時間帯も自由に働いているイメージですが、実はエンジニアの場合には「常駐案件」と「在宅案件」とがあります。
常駐案件とは、契約会社に常駐して作業をする働き方。
プロジェクト契約なので、プロジェクト終了までの期間は普通に出社する感じです。
会社員エンジニアも契約先に出向して作業を行うケースがたくさんありますが、フリーランスでもそういった働き方があります。
一方、在宅案件とは、納期までに求められた成果物を納品するという、場所や時間が自由な働き方です。
こちらの方が自由度は高いですね。
エンジニアにもいろいろある
また、「エンジニア」といっても実はさまざまな種類のエンジニアがいます。
- システムエンジニア(SE)
- プログラマー(PG)
- サーバエンジニア
- ネットワークエンジニア
- データベースエンジニア
- セキュリティエンジニア
- Webエンジニア
などが挙げられます。
ざっくり説明しましょう。
SEはシステム設計が主なお仕事。
システムの統括ポジションになるので、このお仕事ができる人はかなり実績が必要です。
PGはプログラミングをする人ですね。
プログラミング言語やフレームワークを使って、実際にソフトやアプリなどを作っていきます。
サーバエンジニア、ネットワークエンジニアは、それぞれサーバやネットワークの構築が主な仕事です。
データベースエンジニアは、データベースを扱う専門のエンジニア。
顧客や在庫など、データベースを扱うシステムの構築は小規模のお店からも需要が高いので、直接クライアントから要望を聞き取って、設計から構築、運用までまるごと引き受けるような場合も多くあります。
セキュリティエンジニアは、その名のとおりセキュリティシステムを開発するのがお仕事。
常に最新の情報と深い知識、高い対応力が必要です。
Webエンジニアは、Webサイト制作やWebアプリ開発などWeb専門のエンジニア。
わりと小規模なので、クライアントの聞き取りから設計、プログラミング、さらにはサーバサイドのシステムまで全部やることが多いです。
また、情報処理をメインとするITエンジニアというものもあります。
ITエンジニアの中にもSEやPGなどの種類があるのでちょっと別にしてみました。
他にも、近年はAIエンジニアなんかも需要が高いですね。
人工知能システムがより身近になってきましたから、Pythonなんかも勉強しておきたいです。
このようにエンジニアの仕事も様々なものがあるので、自分はどの仕事をできるのか、どの仕事を目指したいのかをはっきり決める必要があります。
自由度重視ならWeb系
何を基準に選ぶかによりますが、働く場所や時間を自由にしたいと考えるのなら、Web系のエンジニアがおすすめです。
Web系のシステム開発はわりと小規模な依頼も多いので、在宅案件も多く、また、チームを組まなくても良い案件も多数あります。
今後もまだまだ需要は増加していく見込みなので、将来性もあるといえるでしょう。
ただ、小規模な案件は単価が上がりにくく、短期間で終了してしまうというデメリットがあります。
つまり、コンスタントに依頼を探して受けていかなければならないということ。
収入のアップダウンも出やすいので、金銭的には安定しにくい人もいます。
平均年収が500万円を超える一方で、300万円程度しか稼げない人がいるのもWeb系エンジニアの特徴です。
高収入を狙うならソフトウェア開発よりSE
もっと安定的に、しかも高収入を狙いたいというのであれば、単純にプログラミングをしたり、ソフトウェア開発をしたり、というよりも、大規模なシステムの設計をできるSEや、ネットワークやデータベースに精通しているエンジニアを目指した方が良さそうです。
まず、大規模なプロジェクトだと契約終了までのスパンが長いので、より安定した収入を得やすくなります。
また、大規模なプロジェクトを動かせる企業の方が予算もあるので、実力のある人材への評価報酬が高く、高収入を目指しやすくなります。
加えて、SEやネットワークエンジニアはかなりキャリアや実力が必要なので、エンジニアの中でも替えがきかない存在。
当然PGなんかより高収入が見込めるわけです。
今後PGの仕事もAIに取られる!?
今後もエンジニアの需要は高まることが予想されますが、一方で、単純なプログラミング、システム構築の仕事は、減っていくかもしれません。
その理由は、AI、人工知能です。
コンピュータが得意なことって、論理思考なんですよね。
AIはコンピュータなので、論理思考が得意。
つまり、AIはプログラミングが得意なのです。
AIでなくても、プログラミング言語やフレームワークがどんどん進化していることを考えれば想像はつきますよね。
Webサイトだって、知識のない人が動的サイトを作れるツールがたくさん登場してきているし、プログラミングだって中のコードを一切見ずにコーディングできちゃうものがあります。
単純なものから順に、必要とされなくなる可能性が高いわけです。
それが何年後になるかはわかりませんが、今人気のWebプログラマなんかは案外早く廃れるかもしれないなと個人的には思っています。
もちろん、デザイン性や提案力など、真似できない付加価値があれば別ですけどね。
営業力はプロを頼るのが高収入の鍵
ところで、クライアントがエンジニアに求めるものってなんだと思いますか?
もちろんプロジェクトの内容にもよりますが、大きなプロジェクトになればなるほどコミュ力が重視されているんです。
ちょっと考えれば当たり前なんですよね。
ある程度のスキルがあるのは技術者なので当然として、でも、業務に十分なスキルがあるのであれば、「めっちゃすごいスキルがあるけど全然コミュニケーション取れない人」よりも「十分なスキルがあってコミュ力抜群の人」の方が間違いなく仕事がしやすい。
大きなプロジェクトでは、相応の人数が関わりますから、うまくコミュニケーションを取ったり、リーダーシップを発揮できたり、あるいはうまく指示や調整なんかをできる人が求められます。
でも、そういうのってスキルと違ってアピールしにくい。
だからこそ、これまでは「人脈が大切」だったのですが、フリーランスエンジニアが増加してきた昨今ではクラウドマネジメントの力を借りる方が早くて高収入が期待できます。
クラウド型のフリーランスエンジニア求人はたくさんありますが、マッチングをしてくれたり、ポートフォリオなど売り込みのアドバイスをしてくれるマネジメントサービスを付加しているところも増えてきました。
他者が自分をマネジメントして売り込んでくれるというのは、楽でもあるし、高収入も見込めます。
というのも、クライアント側も自分たちでいい人材を探すのは大変になってきているんです。
フリーエンジニアが増えてきて、技量をどう計るのかも、コミュニケーションなど人間関係のスキルをどう評価するのかも難しいですからね。
予算のあるところほどプロに任せるようになってきています。
エンジニア側も、営業力はプロに任せるのが吉!
もちろん、自身のスキル磨きも必要ですが、上手に利用して高収入フリーランスエンジニアを目指してくださいね。