出さないと大損!10分で終わる個人事業主の開業届 毎年特別控除65万円ゲットへの第一歩

ある程度フリーランスでお仕事を進めていくと、「個人事業主になった方がいいんじゃないかな」と思うときが来ます。

個人事業主も広義で見ればフリーランスなのですが、あえて分けるならばフリーランスは自由業で、個人事業は自営業。
小さいながらも事業を運営する経営者になります。

今回は、個人事業主になるとどんないいことがあるのか、どのような手続きが必要なのかをみてみましょう。

目次

個人事業主とフリーランスの違いとメリット

個人事業主とは

冒頭でもお話しましたが、個人事業主も広義ではフリーランスです。
実際の働き方にそう大きく明確な差があるわけではありません。

しかし、フリーランスが法には明確に定義されていない働き方の俗称であるのに対して、個人事業主は法的に認められた呼称です。
つまり、個人事業主とは、法的に事業を営むものとして認定されている存在だといえるでしょう。

もっと突っ込んでいえば、個人事業主とは「個人事業の開業を届け出ている人」のことを指すことが多いです。
開業届は税務署に提出し、税務上「個人事業主」という区分に入ることができるようになります。

開業届を出さずにフリーで活動している人のことも個人事業主に含めるケースもありますが、その場合はフリーランスと同義なので、税務上の区分としてはただの雑所得がある人とされる場合もあります。

本稿では、個人事業主を「税務署に開業届を提出した人」として話を進めていきます。

個人事業主になるメリット

フリーランスとほぼ同義なのに、なぜ個人事業主になる必要があるのか、不思議に思いませんか?

実は、個人事業主になるだけでけっこういろいろなメリットがあるんです。

  • 青色申告ができる
  • 赤字を繰り越せる
  • 屋号ができる
  • ビジネス口座が持てる
  • ビジネス用のカードが持てる
  • その他対法人サービスが利用できる

ざっとこんな感じですね。

大きく、

  • 税務上のメリット
  • 屋号ができるメリット

に分けられるので、それぞれもう少し細かく説明しましょう。

税務上のメリット

まず大きいのが、税務上のメリットです。

副業フリーランサーさんから「確定申告でフリーランスの収入を雑所得で申告するように言われた」なんて話が出ますが、税務署の指導としては仕方ないところです。

なぜなら、「事業を始めたなら開業届を出してね」というのがそもそも税務署のスタンスだから。

これは絶対とはいえないものないので、開業届を出してなくても事業所得として申告できないわけではありません。
ただ、開業届を出していないのに事業所得として申告しようとして止められるというのは、税務上は仕方ないということなんです。

この差のために、コロナ禍で「持続化給付金」をスムーズに受け取れなかったフリーランサーも多くいましたね。

あまり意識していないかもしれませんが、税務上事業所得と雑所得はまったく異なる扱いで、たとえば事業所得なら赤字が出た分を別の給与所得から引くこともできるけれど、雑所得はムリとか。(給与所得等との損益通算といいます)

だから個人的には、個人事業主になるメリット云々というよりは、小遣い稼ぎのつもりでないならば、しっかり法的手続きをとっておくのが得策だと考えています。

前置きが長くなりましたが、個人事業主として届け出ていると、

  • 青色申告ができる
  • 赤字が繰り越せる

などのメリットがあります。

青色申告は確定申告をする時の形式で、前もって「青色申告するよ」と届け出ていた場合にだけ発動できる個人事業主の節税アイテムです(笑)。

もう少しちゃんとした言葉でいうと、税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておくと、青色申告特別控除が受けられるというものです。

細かい条件はここでは書きませんが、青色申告なら最大65万円もの特別控除を受けることができます。
つまり、事業収入から経費を引いた上、さらに最大65万円も引いて所得税の計算ができるんです。

しかもこれって、所得税だけじゃないんですよ。
所得を計算する際に引けるものなので、所得で計算するすべてに影響します。

私は結婚後は主人の扶養に収まっているのですが、この青色申告特別控除がないと扶養に収まれません。(とってもギリギリです)
住民税も同じ所得で計算します。

赤字が出たりした場合も、事業所得なら給与所得もあるなら給与所得と通算(給与所得等との損益通算)できるし、給与所得がなくても青色申告なら3年間繰り越して所得から控除することだってできます。

節税したいなら、断然青色申告をすべきですね。
青色申告の申請を出すには、開業の届けが必要ですから、個人事業主になる税務上のメリットといえるでしょう。

屋号ができるメリット

開業の届け出時に得られる「屋号」も、いろいろ便利です。

屋号というのは、会社でいうところの社名のことで、個人事業主の事業所名といったところです。

会社のように誰もが見られる登記ではないものの、きちんと税務署に届け出ている名前なので、あるのとないのとでは社会的信用も違ってきます。

名刺に書けるとか、肩書きがつくとか、そういう次元ではなくて、たとえば、

  • ビジネス口座が持てる
  • ビジネス用のカードが持てる
  • その他対法人サービスが利用できる

といった利点があります。

私は楽天銀行のビジネス口座ビジネスデビットカードを持っていますが、これはなかなか便利ですね。
経理処理がすごく楽になります。

ビジネス用のいろいろなものが使えるようになるので、ビジネス用のクレジットカードも作れます。
細かい話でいくと、「法人にしか納品しません」という業務用の家具やパソコンなんかも購入できます。(法人価格の方が安かったりスペックが良かったり納期を優遇してくれたりするんですよ)

屋号があるということは、税務署にきちんと開業届を出しているという証拠なので、社会的信用が上がるのは当然のこと。
おかげで利用できるサービスも増えるというわけです。

めちゃくちゃ簡単! 個人事業主になる方法

では、個人事業主になるにはどうすれば良いかというと、なんと税務署に必要書類を提出するだけです。私の時はなんと10分程で終わりました。

Mission1 個人事業の開業・廃業等届出書を入手

まずは、「個人事業の開業・廃業等届出書」を入手しましょう。

私は直接税務署に行って「開業届を出したいんですけど」と言ったら出してくれて、その場で書いて出しましたが、国税庁のWebサイトに行けば無料でダウンロードできます。

[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

ページ中程にあります。
パソコンで記入できる様式にしてくれているので、パソコンで作っちゃえばいいですね。

Mission2 必要事項を記入

だいたい見れば書けるので、「個人事業の開業・廃業等届出書」に記入していきましょう。

管轄の税務署は確定申告をしているところと同じです。

屋号は慎重に。
他とかぶったりしないことも重要ですが、事業って増設できるんですよね。
私は最初ライティングとメールカウンセリングだけだったのですが、結婚後は自宅で学習塾も開いています。
でも、屋号はひとつ
だから、あまり職種に特化した名前にするとたぶん困っただろうなぁと思います。

フリーランスから個人事業主になるのであれば、「廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合」とか、「給与等の支払の状況」とかは要らないと思うので放置です。

その他よくわからない部分は空けておいて、税務署の窓口で見てもらえば安心です。

Mission3 ついでに「青色申告承認申請書」も

さきほどの「個人事業の開業・廃業等届出書」にも「開業・廃業に伴う届出書の提出の有無」という項目がありますが、ここでついでに「青色申告承認申請書」も用意して一緒に提出してしまいましょう。

[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

同様に、ページ中程からダウンロードできます。

これを出しておかないと、最大65万円の控除が受けられなくなってしまいますからね。

簿記は「複式簿記」を選択。
ここで簡易簿記を選択してしまうと、10万円しか控除してもらえなくなってしまいます。

私が出した頃より絶対細かくなっていますが、備付帳簿名もチェックしていきます。
とりあえず、「総勘定元帳」と「仕訳帳」は必須です。
これがないとそもそも複式簿記が成り立たない(笑)
あとは、「現金出納帳」「固定資産台帳」辺りがあるといいかなぁ。

もし、手書きで帳簿を付けるのであれば、もうちょっといろいろあった方がいいです。
売掛帳は必須だろうし、経費帳や預金出納帳なんかも要ります。
ただ、今から青色申告をやろうと思っている人は、たぶん手書きで帳簿を付けないんじゃないかと思うんですよね。
なんらかの会計ソフトを使うのではないかと。
会計ソフトの場合、帳簿を意識せずに入力していって、勝手に帳簿を作成してくれるものなので、税務署側もそんなに突っ込んで言ってきたりすることはありません。

「総勘定元帳」と「仕訳帳」は必須で、残りは自分が使う会計ソフトの帳簿に何があるかを眺めてみるとわかりやすいと思います。

Mission4 税務署へ提出

あとは、「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」を持って税務署へ行きましょう。

その場で職員さんがチェックしてくれるので、不備があればすぐに教えてもらえます。

身分証明書と印鑑を持っておくといいですね。

ちなみに、これらは郵送で税務署に送ってもOK
特に不備がなければ、そのまま受理されます。

Mission5 しっかり帳簿を付けて確定申告に臨む

申請をしたら、フリーランスの時よりもしっかり帳簿を付けましょう。
最大65万円の青色申告控除は、複式簿記が必須です。
急に監査が入る可能性もなくはありません。

また、帳簿の保管も7年間が義務付けられています。
書類もしっかり保存してくださいね。

番外 e-TAXで完結させよう

さて、番外編です。
実は、ネットでも開業届が出せるんですよ。

個人事業主ならぜひ持っておきたいのが「マイナンバーカード」。
署名用の電子証明書」タイプのものが必要です。

これは、ネットで確定申告をするため。
ネットで確定申告をするには、この「署名用の電子証明書のマイナンバーカード」を使って、e-TAXという電子申請サイトを使います。

そして、このe-TAXでは、「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」も提出できちゃうんです。

最初はちょっと面倒くさく感じるし、システムがちょっと使いづらくてイラッとする場面も毎年あるのですが、それでも確定申告はe-TAXを使ったほうが速いです。

さらに今年、2020年分の申告からは、青色申告特別控除で65万円の控除を受けるには、e-TAXでの申告または電子帳簿保存を事前申請しておくかが必須になりました。

電子帳簿保存は事前の申請が必要だし、そもそも電子帳簿保存をするのに確定申告は紙で出しますって妙な話なので、実質65万円控除の必須要件になったと考えてもいいかと。
そうなると、e-TAXが使える環境を整えておくのが良いので、「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」もe-TAXで出してしまえば楽、というわけです。

ちなみに、電子帳簿保存を考えている方は国税庁のサイトを確認してください。法改正があったばかりなので今後の動向は読みにくいですが、今後は電子帳簿にシフトしていく可能性が高いとにらんでいます。

電子帳簿保存法関係|国税庁
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/index.htm

個人事業主になるには、税務署に開業届を提出するだけ! 個人事業主としての恩恵を最大限受けるため、青色申告の申請も一緒にしておくのが安心です。必要書類は少ないので、あっという間にできちゃいますよ。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる